出演者の声

  • 姜 建華(二胡奏者・中央音楽学院教授)

    青少年劇場の魅力は、皆さんに近づいての生演奏だと思います。デジタル化が発達した現代、音楽情報はテレビやラジオ、CDや音楽配信などを通じて簡単に、そして大量に手に入るようになりました。しかし、録音と生の音にはかなりの違いがあります。生演奏はその場で、演奏者と聞き手の気持ちが一体化して、共に音楽を作ります。雰囲気も、会場や環境によって全く違うものになります。演奏で生み出される空気の振動も身体で感じられて、その音楽の細かいニュアンスをもっと感じることができます。中国の楽器で日本の音楽、中国の音楽、世界の音楽が演奏されるのも楽しんでください。皆さんと一緒に演奏会を作る事を、毎回楽しみにしております。

  • 山本東次郎(大蔵流狂言方・人間国宝)

    全国各地の小・中・高等学校で行われる「青少年劇場巡回公演」のお陰で、多くのこどもたちに「狂言」を観て頂くことができますこと、たいへん有り難く思っております。今、流行のファッションのような「和風」ではなく、日本人が古来から大切に守り育ててきた心の在り方を、日本の古典芸術・狂言を通して、こどもたちに伝えていくことを切に願う者として、その大きな助けとなるこの公演が今後も継続して行われることを望んでおります。

  • 吉澤 実(リコーダー奏者・東京藝術大学講師)

    息で生まれる笛の音は、「息」という文字が物語るように、まだ言葉にならない「自」からの「心」の響きを伝えます。パウル・クレーは、「絵は、実際に見える絵を通して実際に見えないものを観るもの…」と記述し、金子みすゞは「昼のお星は見えぬけれど…あるんだよ」と詩っているように、音楽も実際に聞こえる音を通して、実際には聞こえない音が聴こえた時に感動します。子どもの目が輝き心震える瞬間、その時、「音楽」は単に「音を楽しむ」ものではなく「生きる力」を生みだすものだと感じます。沖縄から北海道まで、小さな島や山間の小規模校での素晴らしい体験を企画して下さる「青少年劇場」に心から感謝します。

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